気相中のクラスタ-イオンを対象としたホ-ルバ-ニング分光法の開発


研究課題名 気相中のクラスタ-イオンを対象としたホ-ルバ-ニング分光法の開発
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07740465
研究代表者 大橋 和彦  (オオハシ カズヒコ) 九州大学・理学部・助手
研究代表者番号 80213825
研究機関 九州大学 研究機関番号:17102
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 物理化学 研究分野コード:341
キーワード クラスタ-イオン / 光解離分光 / ホ-ルバ-ニング分光 / ベンゼン2量体イオン / 構造異性体
研究概要 サイズ選別したクラスタ-イオンを対象として,ポンプ(光解離)-プロ-ブ(光解離)方式によるホ-ルバ-ニング分光法を開発した.まず,飛行時間質量分析計の加速領域において,イオン化レ-ザ-により中性クラスタ-を共鳴2光子イオン化した.次に,ポンプレ-ザ-を加速領域に導入し,特定のサイズの親イオンの特定の電子遷移を誘起し解離させた.続いて,残存する親イオンのパケットがドリフト領域に達してから,波長可変のプロ-ブレ-ザ-を照射し,先程とは異なる波長領域にある電子遷移を誘起し解離させた.最後に,リフレクトロンを用いて,解離しなかった親イオン,ポンプおよびプロ-ブレ-ザ-により生成した娘イオンを分離して検出し,ポンプレ-ザ-を導入した場合としない場合のプロ-ブレ-ザ-による娘イオン信号の強度を比較した.
まず,920nmと1160nmに2つの吸収帯を持つベンゼン2量体イオンについて実験を行った.プロ-ブレ-ザ-を920nmにして検出したイオン強度は,920nmのポンプレ-ザ-を導入すると当然減少した.プロ-ブレ-ザ-を1160nmにした場合のイオン強度も,920nmのポンプレ-ザ-により減少した.また,減少の度合は,プロ-ブレ-ザ-が920nmの場合と1160nmの場合とで等しかった.このことから,920nmと1160nmの吸収帯は2種類の異性体ではなく同一のイオン種に起因することが明らかとなった.2本の吸収帯が出現する原因に関しては,2量体イオンの対称性の低下のために縮重していた軌道が分裂し,2つの異なる電子遷移が可能になったためであると解釈できる.次に,670,920,および1175nmに3本の吸収帯を持つベンゼン-トルエン混合2量体イオンについて調べたところ,この場合も,3本の吸収帯が同一のイオン種に起因することが明らかとなった。


 

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