「期待」と「認知地図」に関する生理心理学的研究


研究課題名 「期待」と「認知地図」に関する生理心理学的研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1997
研究期間 1996-1997
研究課題番号 08451021
研究代表者 渡辺 正孝  (ワタナベ マサタカ) (財)東京都神経科学総合研究所・心理学研究部門・副参事研究員
研究代表者番号 50092383
研究機関 (財)東京都神経科学総合研究所 研究機関番号:82605
研究分担者 彦坂 和雄(ヒコサカ カズオ):(財)東京都神経科学総合研究所・心理学研究部門・主事研究員 (60129004)
研究種目 基盤研究(B) 研究種目コード:310
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 期待 / 認知地図 / 報酬 / 前頭連合野 / 文脈 / モニタ- / ニュ-ロン活動
研究概要 「期待」、「認知地図」という概念は、1930年代に新行動主義心理学者のTolmanが提唱したものであるが、近年の認知心理学の隆盛の中でこうした概念は再度注目を浴びている。本研究は「期待」、「認知地図」という高次な心的機能との関連で前頭連合野のニュ-ロン活動を調べることにより、こうした概念の実態とその背景にあるメカニズムを明らかにしようと試みたものである。
「期待」に関しては、特に「報酬の期待」に焦点をあてた。具体的には学習課題において、正反応に対して動物に「報酬」を与える試行と与えない試行を用意する。また「報酬」を与える場合にも餌やジュ-スなどを何種類も用意する。動物は正反応に対し、「報酬が与えられるか否か」、「与えられるとしたらどのような報酬が与えられるのか」、に関して予め情報が与えられる。こうした条件で調べたところ、サルの前頭連合野には遅延後にどのような報酬が与えられるのかに関する「報酬期待」を担うニュ-ロンが多数あることが見出された。さらに、報酬がないことの予期に関係するニュ-ロンも前頭連合野には存在していることが明らかになった。
「認知地図」に関しては、これを空間的な地図にとどまらず、時間、場所、状況を含む「文脈」という広い概念として捉え、課題(文脈)の違いにより前頭連合野ニュ-ロンがどのような活動を示すのかを調べた。具体的には、種々の課題をサルに訓練しておき、課題を次々に変化させる中で前頭連合野のニュ-ロン活動を調べたところ、現在どのような課題事態であるのかを捉え、モニタ-することに関係するニュ-ロンも前頭連合野には存在することが明らかになった。
発表文献 WATANABE M.: "Reward expectancy in primate Prefrontal neurons" Nature. 382・6592. 629-632 (1996)
渡辺正孝: "前頭連合野とワ-キングメモリ-" 心理学評論. 41(印刷中). (1998)


 

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