純音同定における聴覚的注意の効果の検討 -感受性、反応バイアス、反応時間による分析-


研究課題名 純音同定における聴覚的注意の効果の検討 -感受性、反応バイアス、反応時間による分析-
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07710061
研究代表者 森 周司  (モリ シュウジ) 富山県立大学・工学部・助教授
研究代表者番号 10239600
研究機関 富山県立大学 研究機関番号:23201
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 同定 / 聴覚的注意 / 感受性 / 反応バイアス / 反応時間
研究概要 本研究では、純音同定実験で刺激と同一周波数の純音を手がかりとして呈示し、特定周波数への選択的注意の効果を検討した。使用した刺激は3周波数(100、1000、8000Hz)と4強度(60、63、66、69Hz)の組み合わせからなる12個で、呈示時間200ミリセカンドであった。刺激音と同一周波数の音を手がかりとして呈示する条件(手がかり条件)と手がかりが全く呈示されない条件(手がかり無し条件)で実験を行い、2条件の刺激強度同定の反応時間と正答率を測定した。そして、正答率から感受性と反応バイアス(信号検出理論のd′とβ)を計算した。
現時点では2実験が終了した。実験結果は次の通りである(Mori,1995)。
1.手がかり条件では手がかり無し条件と比べて平均反応時間が約100ミリセカンド速く、d′も高いが、βは2条件でほとんど同じであった(実験1、2)。
2.周波数による同定反応の変化は観察されなかった(実験1、2)。
3.60dBと69dBの反応時間は63dBと66dBと比べて速く、d′も高かった(実験1、2)。
4.手がかり音と刺激音の時間間隔を0〜2000ミリセカンドの間で変化させると、時間間隔が短くなるほど2条件の反応時間とd′の相違が小さくなった(実験1)。
5.手がかり音の呈示時間を20〜1000ミリセカンドで変化させると、100ミリセカンドの呈示時間で2条件の反応時間とd′の相違が最も大きくなった(実験2)。
以上の結果は、手がかり音によって聴取者の注意が刺激音の周波数に誘導されるため、刺激への感受性は向上するが、反応バイアスは変化しないことを示している。また、注意誘導による促進効果も手がかり音と刺激音の時間間隔や手がかり音の呈示時間に依存することを示唆しており、これは視空間注意の結果と類似している(森,1995)。
発表文献 Shuji Mori & Lawrence M.Ward: "Pure feedback effects in absolute identification" Perception & Psychophysics. 57. 1065-1079 (1995)
Shuji Mori: "“Hear-out"of a target tone from informational masking" Fechner Day'95. 10. 249-254 (1995)
森 周司: "視覚と聴覚の注意研究-理論とデ-タ-" 日本音響学会聴覚研究会資料. H-95-89. 65-72 (1995)


 

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