注視方向を指標として用いた空間的他視点取得能力測定法の確立


研究課題名 注視方向を指標として用いた空間的他視点取得能力測定法の確立
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07710054
研究代表者 渡辺 雅之  (ワタナベ マサユキ) 滋賀大学・教育学部・講師
研究代表者番号 40201230
研究機関 滋賀大学 研究機関番号:14201
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 空間認知 / 他視点取得 / 幼児
研究概要 3歳前後の子どもが持つ基礎的な空間的他視点取得能力を測定することを目的とした。新たな課題("顔回転課題"と名付けた)を考案し、2つの実験(I, II)を行った。実験Iの目的は、課題に正答する年齢を明らかにすること、実験IIの目的は、顔回転課題の解決において用いられた方略が、心的回転や知覚的更新でないことを実証することであった。
実験Iに60名の2〜4歳児が、実験IIには実験Iで課題に正解した38名の子ども達が参加を依頼された。課題の概要は次の通り。直径80cmの円盤上に顔の絵を描き、円の中心から20cmずつのところに直径10cmの穴を開けた。穴は目とみなされた。顔は実験IとIIで異なり、実験Iは女児の顔、実験IIでは、一方からは笑い顔、反対からは困っている顔に見える物であった。顔刺激は、縦横55cm高さ15cmの台座上に据えられた。実験Iでは、子どもに対して90,180,270度のいずれかの方向に顔を回転し、左右の目のどちらかを点灯すると同時に2種のブザ-のうち一つを鳴らした。続いて顔の向きを子どもの側に戻し、先のブザ-音のみが再提示された。音に対応する目がどちら側であるのかを子ども達は問われた。基礎的な他視点取得ができる子どもは、課題の正しい答えを容易に知ることができると予想され、約3歳半過ぎよりその種の能力が獲得されていることが示された。実験IIでは、笑い顔か困っている顔のどちらかを、まず子どもに提示した。子どもにとって90度か270度の位置に顔を回転子、光と音を提示した。最後に、子どもに対して0度かまたは180度の方向に顔を回転し、音に対応する目がどちらであるかを実験Iと同様にたずねた。0度と180度方向に対する正答率に違いがみられれば、他視点取得が用いられていたと考えられた。結果は、有意に0度方向からの正答率が高く、この年齢の子どもたちは、他視点取得によって課題を解決していたのだと結論された。
発表文献 渡部雅之: "3歳児に空間的他視点取得は可能か(2)" 日本発達心理学会 第7回大会発表論文集. 133- (1996)


 

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