初期視覚情報処理における時間微分のシナプス機構


研究課題名 初期視覚情報処理における時間微分のシナプス機構
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07710045
研究代表者 岡田 隆  (オカダ タカシ) 東京大学・大学院・人文社会系研究科・助手
研究代表者番号 00242082
研究機関 東京大学 研究機関番号:12601
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 網膜 / 神経節細胞 / GABA(γ-アミノ酪酸) / コイ / スライス / 時間微分 / 伝達物質
研究概要 網膜双極細胞の脱分極時の伝達物質放出は比較的持続的に生じる一方、双極細胞から入力を受けている神経節細胞は一過性の光応答を示すものと持続性の光応答を示すものとに分かれる。双極細胞の軸索終末部にはGABA受容体が高密度に依存していることから、網膜内GABAを介するネガティブフィ-ドバック機構による時間微分の実現が示唆されていたが、内在性GABAによって時間微分が実際に実現されうるという証明は行われていなかった。本研究ではコイの網膜のスライス標本を用い、近年開発されたスライスパッチ法を神経節細胞に適用して、時間微分における網膜内在性GABAの役割について調べた。GABA受容体の拮抗剤であるピクロトキシンを投与し光照射したところ、神経節細胞の一過性の光応答が部分的に持続性に変化した。同様の実験を双極細胞についても行ったが、双極細胞の場合の光応答の時間経過はほとんど変化しなかった。したがって、内網状層のGABA受容体に内在性GABAが作用することによって時間微分機能の一部が実現されていることが示された。また、神経節細胞によっては、GABA受容体阻害によって光応答の時間経過だけでなく振幅も増加したことから、光強度が変化しないときにもGABAが双極細胞に常時入力していることも示唆された。ただし、GABA受容体をほぼ完全に阻害した条件下でも神経節細胞の光応答が完全には持続性にならなかったので、時間微分の実現においてはGABA系以外の機構の関与も考えられる。今後は、神経節細胞の樹状突起や細胞膜の性質と時間微分との関係の有無について調べる実験を行う予定である
発表文献 Takashi Okada, Hiromi Horiguchi, Masao Tashibana: "Ca^<2+>-dependent Cl^- current at the presynaptic terminals of goldfish retinal bipolar cells" Neuroscience Research. 23. 297-303 (1995)


 

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