CSマウスの体内時計制御機構についての行動・神経科学的研究


研究課題名 CSマウスの体内時計制御機構についての行動・神経科学的研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07710039
研究代表者 安倍 博  (アベ ヒロシ) 北海道大学・医学部・助手
研究代表者番号 80201896
研究機関 北海道大学 研究機関番号:10101
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード サ-カディアンリズム / 近交系マウス / CS系マウス / フリ-ランリズム / タウ / スプリッティング / 体内時計 / 視交差上核
研究概要 近交系マウスの一つであるCS系マウスは,他系統マウスとは異なる特徴的なサ-カディアンリズムを行動上に示す.このことからCS系マウスは,そのサ-カディアン振動体機構(体内時計)に変異を持つことが考えられる.本研究では,CS系マウスの体内時計機構を行動から分子レベまで総合科学的に調べることから哺乳類体内時計機構の理解を深めることを研究背景として,まずこのマウスの恒暗条件(DD)下での行動(回転輪走行活動)リズムの特徴をC57BL/6J系マウス(B6)と比較することにより明らかにすることを目的とした.12時間交代の明暗サイクル下での同調リズムを計測した後,DDに移行し,DD下で最長で約140日間フリ-ランリズムリズムを計測した.その結果,CSのDDでのフリ-ランリズムの周期τ(タウ)が,24時間よりも長いもの(24匹中7匹),短いもの(8匹),24時間を境に変動するもの(9匹)の3パタ-ンに分かれた.一方,B6のτは全個体(12匹)で24時間よりも短かった.CSのDDでのフリ-ランリズムの最大の特徴として,ほとんどの個体で活動相が2つのコンポ-ネントに明確に分かれるリズムスプリッティング(リズム分割)が見られた.CSのスプリッティングでは,τが短くなると(平均で23.76時間)第2のコンポ-ネントが消失し,第2コンポ-ネントの出現はτに依存することが分かった.以上のことから,CS系マウスの体内時計機構は異なる周期を持つ2つの振動体により構成されていること,そしてCS系の場合,2振動体間の結合力が弱くそのために振動体相互の影響力のバランスが変化しやすいことが考えられた.現在このCS系の2振動体構造をさらに確かめるために,DDでの光パルスによるリズム位相反応および視交差上核のc-fos遺伝子発現について検討中である.
発表文献 Hiroshi Abe: "Substance P receptor regulates the photic induction of Fos-like protein in the suprachiasmatic nucleus of Syrian hamsters." Brain Research. 708. 135-142 (1996)
J. Treep: "Two distinct retinal projections to the hamster sprachiasmatic nucleus." Journal of Biological Rhythms. 10. 299-307 (1995)
Sato Honma: "Circadian rhythm and response to light of extracellular glutamate and aspartate in rat suprachiasmatic nucleus." American Journal of Physiology. (印刷中). (1996)


 

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