持続的注視によるパタ-ン認知機能の低下と回復過程に関する研究


研究課題名 持続的注視によるパタ-ン認知機能の低下と回復過程に関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1996
研究期間 1995-1996
研究課題番号 07610082
研究代表者 行場 次朗  (ギョウバ ジロウ) 九州大学・文学部・助教授
研究代表者番号 50142899
研究機関 九州大学 研究機関番号:17102
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 持続的注視 / 順応 / パタ-ン認知 / テクスチャ-知覚 / 漢字認知 / 顔の表情認知
研究概要 本研究では、持続的注視により、パタ-ン認知にどのような機能低下がどのような要因によりもたらされるか、また回復を促進する要因は何かについて、心理物理実験による精密な分析を行った。
1.持続的注視によるテクスチャ-の消失と再現過程の分析については、種々のテクスチャ-パタ-ンを様々な偏心度で提示し、消失までの時間を測定した。偏心度の増加に比例して消失時間は短くなった。消失した領域には、外領域と同じ要素が補充されるが、これには、領域の境界を処理する系(BCS)と領域内の特徴を処理する系(FCS)を仮定するGrossbergの理論が適用できる見通しがえられた。
2.漢字パタ-ンのゲシュタルト崩壊と回復を規定する要因の分析では、持続的注視後には、同一漢字のみならず、同一構造をもつ漢字にも認知時間の遅延がみられ、その効果は、注視後、15秒異常持続した。漢字の大きさや傾きなどを変化させ、同様な実験を行い、漢字の脳内表現について考察した。この研究成果の一部は「心理学研究」誌に掲載され、「基礎心理学会」誌にも現在投稿中である。
3.顔パタ-ンの持続的注視が表情認知にあたえる影響の分析については、例えば、笑い顔を持続的注視した後、中性顔や悲しみ顔を見た場合のように、順応パタ-ンやテストパタ-ンの表情を様々に変化させ、表情の認知時間を測定した。特に、快・不快次元に関連のある表情を持続的注視した後で、認知時間に遅延がみられた。これらの結果より、表情認知を司る系には、主に快・不快次元に関わる表情処理系と、主に覚醒・鎮静次元に関わる表情処理系があり、もっぱら前者の処理系においてだけ、持続的注視による順応効果があらわれると想定することができた。この知見はATRで開催された国際研究会で発表され、「心理学研究」誌にも投稿中である。
発表文献 行場次朗: "テクスチャ-パタ-ンの持続的注視による消失と逆説的再現現象" 東北心理学研究. 44. 53-53 (1995)
二瀬由理・行場次朗: "持続的注視後の漢字認知にあらわれる遅延効果-パタ-ン特異的順応-" 日本心理学会第59回大会発表論文集. 681-681 (1995)
二瀬由理・行場次朗: "持続的注視後の漢字認知にあらわれる遅延効果(2)-全体形態と部分形態の影響-" 日本心理学会第60回大会発表論文集. 640-640 (1996)
蒲池みゆき・行場次朗: "顔の表情認知に及ぼす持続的注視の影響" 日本心理学会第60回大会発表論文集. 695-695 (1996)
二瀬由理・行場次朗: "持続的注視後の漢字認知の遅延-ゲシュタルト崩壊現象の分析-" 心理学研究. 67. 227-231 (1996)
二瀬由理・行場次朗: "Navon現象の諸相とその脳内基盤" 人間科学(九州大学文学部紀要). 3. 1-18 (1997)
Kamachi,M.& Gyoba,J.: "Delays in recognizing facial expressions resulting from prolonged viewing." ATR symposium on face and object recognitiion '97. 29-29 (1997)


 

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