強化遅延時間と強化確率による報酬の価値割引の実験的研究


研究課題名 強化遅延時間と強化確率による報酬の価値割引の実験的研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2000-2002
研究課題番号 00J05378
研究代表者 佐伯 大輔  (サエキ,ダイスケ) 大阪市立大学・大学院・文学研究科・特別研究員(PD)
研究機関 大阪市立大学 研究機関番号:24402
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 実験系心理学 研究分野コード:221
キーワード 報酬の価値割引 / 遅延時間 / 報酬量効果 / 双曲線関数 / 指数関数 / セルフコントロール / 選択行動 / 時間選好
研究概要 報酬が得られるまでの遅延(待ち時間)が長いほど,その主観的価値が低く判断される現象を遅延による報酬の価値割引と呼ぶ.この現象は,これまで主に仮想報酬を用いた実験場面で検討されてきた.その理由の一つとして,実験室内では"1年後に得られる10万円"といった選択肢を用いた実際の選択場面の構築が困難であることが挙げられる.そこで本研究では,遅延中に減少するエネルギーを補うために稼いだ金銭を使用しなければならない"ゲーム場面"という日常場面に類似した選択場面を構築し,そこで得られた結果が,これまで用いられてきた双曲線関数によって記述可能か否かを検討した.実験では,大学生の被験者がタッチパネル付ディスプレイ上に呈示された即時少量選択肢と遅延多量選択肢間で選択を行った.4水準の遅延条件ごとに,試行間で即時報酬量を変化させるタイトレーション法により,遅延多量報酬と等価な即時報酬量を求め,これに双曲線関数を適用した.その結果,双曲線関数と同様に,経済学で使用されてきた指数関数も価値割引をうまく記述することが明らかになった.この結果は,"ゲーム場面"が価値割引を測定する方法として妥当であることを示している.
また,先行研究では報酬量の増加に伴って割引率が低下する報酬量効果が報告されており,双曲線関数を含む既存のモデルによって報酬量効果をいかに説明可能であるかが問題となっている.しかしながら,この現象に影響していると思われる報酬量に対する重みづけを考慮した研究は少ない.そこで本研究では,報酬量効果を報告した先行研究のデータを再分析することにより,報酬量効果が,報酬量の増加に伴う割引率の低下ではなく,報酬量に対する重みづけの変化として解釈可能か否かについて検討した.その結果,報酬量効果は報酬量の増加に伴う報酬量に対する感度の上昇として捉えられることが明らかになった.
発表文献 Daisuke Saeki:   "The effect of reward amount on discounting of delayed rewards in rats"  基礎心理学研究 21・1.  39-40  (2002)  


 

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