グローバリゼーション下における日本型金融とアジア型金融の推移に関する比較研究


研究課題名 グローバリゼーション下における日本型金融とアジア型金融の推移に関する比較研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2002-2004
研究課題番号 14530064
研究代表者 中尾 茂夫  (ナカオ シゲオ) 明治学院大学・経済学部・教授
研究代表者番号 70164126
研究機関 明治学院大学 研究機関番号:32683
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 経済政策 研究分野コード:3605
キーワード 資本市場 / アジア / 日本金融 / 株式市場 / M&A / バブル / 不良債権ビジネス / 取引・決済通貨
研究概要 今年度は、最終研究年度ということで、一度、福岡でアジア化の実態について調査を行った以外は、概して、ヒアリングで専門家・関係者の話を聞くというプログラムを行った。福岡では、アジア取引に熱心な企業を中心に、中小企業に熱心なアジア取引の実態、アジア進出とアジア企業の対日投資の実態についてヒアリングを行った。
グローバリゼーションのアジアや日本への浸透と、それに伴う金融システムの変貌というテーマに関しては、すでに多くのアジアや日本企業がアジア取引のウェイトを高めながらも、一方では、資本市場を中心としたアメリカ型の金融システムの導入に熱心であり、株式市場や社債市場の個々の企業にとっての重要性も上がりつつはあるものの、アジア進出を狙う中小企業や、アジア取引を志向する中小企業にとっては、アジア進出資金や取引資金調達を銀行からの借り入れに依存している企業が多く、資金調達に関して言えば、それは「在来型」のイメージが強い。ただ、取引通貨に関しては、一定程度円建てもないとはいえないものの、やはり米ドル建て取引のウェイトが中心であり、アジア債券市場への期待もビジネス現場では聞こえなかった。ただ、アジアへの関心度、アジア取引の地理的容易さという点では、中小企業にとっては対米取引を大きく上回っており、福岡のように地理的利便性を活かすことができれば、アジア取引が経済活性化に果たす役割は小さくないものと考えられる。
総じていえば、地場の中小企業にとって、たとえば10年前に比べれば、アジア取引の実感、アジア取引の親近感は格段に上がってはいるものの、そこにはやはり銀行中心の資金調達に依存しながら、ビジネスの需要拡大を狙っている企業姿勢が窺える。
とはいえ、東京に本社を置く中小企業ではアジア取引熱は相対的には低いものの、欧米からのファンドの流入によって、不動産取引やM&A取引が活性化し、一種の株式ブームが謳歌されている。ただ、それは1980年代後半のようなバブルとは言えず、キャピタル・ゲイン(値上がり益)狙いというよりも、むしろキャッシュフローの潤沢さを狙って取引が活性化を増しており、そのことはキャッシュフローを生み出す実需が存在することを窺わせる。
年度後半は、様々なビジネス現場の専門家にヒアリングを行って、アジア取引や資本市場の取引実態について、話を聞く機会を増やした。その後、3年間の研究成果を具体化すべく、出版社との交渉に入り、現在、2社とどういった内容の出版にするかについて交渉中であり、平成17年度中には成果の活字化を目指したい。
発表文献 中尾茂夫:   "福岡はアジアをめざす"  経Kei 30号.  40-43  (2004)  
中尾茂夫:   "市場を操る「北京の腕」"  週刊エコノミスト 83巻2号.  86-88  (2005)  
中尾茂夫分担執筆(小田隆裕他編):   "事典現代のアメリカ「ドルが支配する世界」"  大修館(所収).  1470  (2004)  


 

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