非同盟の中国式孤立主義から集団安保主義へ


研究課題名 非同盟の中国式孤立主義から集団安保主義へ
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16530111
研究代表者 趙 宏偉  (チョウ コウイ) 法政大学・キャリアデザイン学部・教授
研究代表者番号 40265773
研究機関 法政大学 研究機関番号:32675
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 国際関係論 研究分野コード:3502
キーワード 中国式孤立主義 / 新安全観 / 中ロ印協調体制 / 中ロ印外相会議 / 利害相関責任者 / 北朝鮮大開発 / 日本問題 / 米中共同管理
研究概要 平成17年度、中国の北京、天津等都市、ロシアのモスクワ、台湾に学術調査や研究会とシンポジウムの参加に赴き、日本では合計5回の研究会のほかに、日本現代中国学会、アジア政経学会、中国研究所、環日本海研究所、日本対外文化協会、及び愛知大学と早稲田大学のCOEプロジェクト等が主催した研究集会で発表や講演を行った。そして日本現代中国学会誌等に論文を発表した。
中華人民共和国は、その成立してからほぼ1990年代の半ばまで旧ソ連と短期間の同盟関係を持っていた以外、非同盟を貫いていた。これを「中国式孤立主義」と呼ぶ。1994年9月、江沢民党総書記は最高実力者〓小平から全権力の譲渡を受けてから、外交戦略を集団安保主義へと根底から転換しはじめた。96年4月に江沢民の主導で創設された第1号の集団安保組織として「上海ファイブ」が結成された。それから江沢民政権は「新安全観」(97年4月)として総括された外交理念を掲げ、中国の北では「上海ファイブ」を「上海協力機構」に発展させ、南ではアセアンとのFTA体制を進みながらそれを梃子に全面協力体制を作り、北東アジアでは北朝鮮核問題を課題に6カ国協議の開催に努力しながら北東アジア安保体制の将来像を模索した。江沢民は米中関係の安定化を図りながら、周辺地域で集団安保外交を推し進めていた。
2002年12月から、江沢民の後を受けた胡錦涛は、江沢民外交を継承しながら守りから攻めへと集団安保外交を強めていった。胡錦涛は中国の「平和的台頭」、それによる「国際関係の多極化」を外交戦略の目標としている。(1)03年から、中ロ印協調体制の構築を取り組んでいる。3カ国外相会議は年2回に定例化され05年まですでに5回もの開かれた。3カ国協調で東ユーラシア大陸集団安保体制を結成し、アメリカとEUに相対する第3の極の構築を目指している。(2)上海協力機構の強化と拡大を図っている。05年にインド、パキスタン、イランを新規オブザーバーとして受け入れた。(3)中国とアセアンを軸として東アジア首脳会議を主導することを図っている。中ロ印は上海協力機構と東アジア首脳会議の両方に加わるが、両組織ともアメリカを除外するものである。(4)胡錦涛中国は北東アジアにおいて北朝鮮核問題を取り扱う6カ国協議を主導し、そして05年に「北朝鮮大開発」に乗り出した。米中は「利害相関責任者」(筆者訳)として将来6カ国による北東アジア安保体制の構築に合意し、また「台湾問題」と「日本問題」(歴史問題と領土領海問題)を米中共同管理とすることになっている。
発表文献 趙 宏偉:   "特集・本格始動する胡錦涛中国III:台湾政策の新局面"  中国年鑑(社団法人中国研究所編) 2005年版.  70-77  (2005)  
趙 宏偉:   "東アジア地域間の融合と相克における中国の外交"  現代中国(日本現代中国学会年報) 第79号.  15-37  (2005)  
趙 宏偉:   "中国における江沢民政権から胡錦涛政権への政治変動(2002〜2003)-政治文明論のアプローチよりの考察-"  法政大学キャリアデザイン学部紀要 第3号.  1-32  (2006)  
趙 宏偉:   "当代中国的世界戦略(中国語論文)"  中国與世界観察(清華大学中国與世界経済研究センター) 第1号.  100-112  (2005)  
趙 宏偉:   "守りから攻めへ-胡錦涛の外交政策を評す-(ロシア語論文)"  ロシア-中国 21世紀(モスクワ国立国際関係学大学) 第1号(取り寄せ中).   (2006)  


 

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