イラン石油産業国有化紛争1948-54-国際紛争としての脱植民地化-


研究課題名 イラン石油産業国有化紛争1948-54-国際紛争としての脱植民地化-
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2005-2006
研究課題番号 05J10917
研究代表者 池田 朋子  (イケダ トモコ) 東京大学・大学院・総合文化研究科・特別研究員(DC2)
研究機関 東京大学 研究機関番号:12601
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[3] 国際関係論 研究分野コード:3502
キーワード 国際関係 / 石油 / イギリス / イラン / 米国 / 1950年代
研究概要 1年目である本年は、研究材料となる一次資料を収集するとともに、公刊資料や二次文献の分析を進めた。具体的には、(1)2005年10月に約3週間、米国の国立公文書館や議会図書館において、イラン石油産業国有化紛争や石油メジャーへの刑事手続きに関する政府資料を検討し、収集した。当初想定していたよりも資料の量がはるかに多いことが準備段階で判明したため、年度始めに計画していたよりも1週間長く滞在するとともに、重要と思われるものに絞って作業した。現在は、これらの資料の分析を進めている。
加えて、(2)本研究が対象とする国有化紛争の前史部分にあたる、46年イラン危機やアングロ・イラニアン石油会社(AIOC)の労働争議に関する資料分析を行なった。そこで得た新たな知見として、(1)46年イラン危機において、イギリス政府は冷戦的発想よりも、むしろ以前から続いていた英ソ間の勢力圏争いを強く意識していたことが指摘できる。また、(2)AIOCの労働争議の際、イラン人労働者の待遇改善を会社に要求した点にイギリス労働党政権の特色を見出せる一方で、イラン全般に対する認識やイランとの外交は植民地主義的なものであり、45年の政権交代前後でイギリスの対イラン政策に大きな変化はみられなかったと解釈しうる。さらに、(3)米国は、44年の段階では政府、企業双方がイランでの石油利権獲得に積極的であったが、46年には慎重になっていた。それは米国がイランの国民感情に敏感であったことを反映しており、この点で米国はイギリスとは異なっていた。現在、これらの分析結果の一部を用いるかたちで、労働争議とイギリス政府の中東政策の関係についての論文を執筆中であり、雑誌への投稿を予定している。


 

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