| 研究課題名 | 国際裁判におけるNon Liquetの研究 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2002 |
| 研究期間 | 2000-2002 |
| 研究課題番号 | 00J03695 |
| 研究代表者 | 玉田 大 (タマダ,ダイ) 京都大学・大学院・法学研究科・特別研究員(DC1) |
| 研究機関 | 京都大学 研究機関番号:14301 |
| 研究種目 | 特別研究員奨励費 研究種目コード:500 |
| 審査区分 | 国内 区分コード:21 |
| 研究分野[2] | 国際法学 研究分野コード:263 |
| キーワード | 国際裁判 / Non Liquet / 宣言的判決 / ムートネス法理 / 法解釈 / 司法内在的制約 / 裁判機能 / 紛争解決 |
| 研究概要 | 本年度の研究は、Non Liquet問題を扱うために、国際裁判の機能論における法解釈権限と紛争解決機能の両立性について検討を試みた。Non Liquetは法欠缺状態において裁判所が裁判不能な状態に陥ることであるため、そもそも裁判所の法解釈権限の限界可能性が明らかにされなければならない。すでに「権限踰越論」の考察の中で法解釈権限と紛争解決機能の関係については概略を論じてみたが(いずれも第三者解釈原理の環として協働状態にある)、Non Liquet問題に関してはこれを詳細に論じる必要があることから、紛争解決機能の観点から裁判所の法解釈権限の制限可能性を検討することにした。この点については、国際裁判における「宣言的判決」を素材に検討を試みた。なお、検討に際しては、法理論的にはいわゆる法的議論理論を用い、裁判の推論過程における法解釈権限の位置付けを明らかにすることを試みた。他方、国際裁判の研究には実証研究が欠かせないものであり、特に宣言的判決は国際裁判の初期の判例で形成されてきたものであるため、研究材料には主として国際判例を用い、これを補強するために国内外の諸文献を用いた。 研究の結果は以下の通りである。権限踰越論の文脈で指摘したように、裁判所の法解釈権限は極めて広範な権限として認められている。宣言的判決において期待される裁判所機能もこめ法解釈適用機能に基礎を置くものであり、条約の抽象的解釈などが裁判所に求められている。他方、裁判所には紛争解決機能も同時に求められており、実際の判例では宣言的判決にも既判力が認められている。しかしながら、裁判所の判例上、宣言的判決の位置付けは大きく変化しているため、その定義をめぐって学説上の一致が見られなくなっている。その主な要因は、裁判所が宣言的判決に際して判決の実際的効果を求めるという判例変更を行ったからであり、抽象的法解釈機能から実践的紛争解決機能の重視という変化が見られる。こうして、裁判所の機能論の観点からは、法解釈機能に特化した機能論を構築することは困難なように思われる。従って、紛争解決機能の視点を取り入れて、法欠缺と裁判機能の両立性について検討することが今後の課題である。 |
| 発表文献 | 玉田大:
"国際裁判における権限踰越論(二)・完"
京都大学法学論叢 150(5).
118-135
(2002)
玉田大: "国際裁判における宣言的判決" 京都大学法学論叢 15(3)(発売予定). (2003) |