多数国間環境条約の不遵守手続の動態とその法的性格に関する研究


研究課題名 多数国間環境条約の不遵守手続の動態とその法的性格に関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2001-2002
研究課題番号 13720019
研究代表者 高村 ゆかり  (タカムラ,ユカリ) 静岡大学・人文学部・助教授
研究代表者番号 70303518
研究機関 静岡大学 研究機関番号:13801
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[2] 国際法学 研究分野コード:263
キーワード 遵守 / 環境条約 / 世界貿易機関(WTO) / 京都議定書 / オーフス条約 / 国際法 / 環境法
研究概要 まず、昨年度の中心的検討課題であった京都議定書の遵守手続・メカニズムの交渉動向を追いながら、その遵守手続の中で適用される帰結の法的拘束力の含意について検討を進めた。帰結の法的拘束力は、相対的に見て、締約国による環境条約の遵守を促進する効果を有するが、他方で、遵守手続とさらには条約全体の制度設計のあり方によって、帰結に法的拘束力があるのと同等またはより大きな遵守促進効果を生み出すことができる。例えば、京都議定書の遵守手続のもとで仮に帰結に法的拘束力を伴わない場合であっても、次期約束期間からの差引という帰結は、従わなければ京都メカニズムの利用資格が停止してしまうため、多数の国はこの帰結に自発的に従わざるをえないと推測される。これは条約上付与されている権利や特権の停止を利用して遵守を促進するしくみと評価しうるが、このようなしくみの積極的利用が持つ含意についてはさらなる考察が必要である。次に、多数国間環境条約と自由貿易レジームに関する検討の一環として、遵守手続とWTOレジームとの間の関係について検討した。WTOレジームにおいては、一般に多数国間合意を尊重する傾向があり、実際に多数国間環境条約の遵守手続のもとで適用される貿易制限的措置がWTOルールに抵触するものとして争われたことはない。この問題に関する研究成果については、日本国際法学会2002年度秋季大会の報告「世界貿易機関(WTO)と環境保護-多国間環境条約からの視点」において報告を行った。最後に、その他の環境条約の特徴的な遵守手続について検討を進めた。1998年採択の環境情報へのアクセス、環境に関する政策決定への市民参加、及び、裁判を受ける権利に関する条約(オーフス条約)のもとで、2002年に採択された遵守手続の検討を進めた。この2年間の研究の結果残る課題について検討を進めながら、全体の成果をまとめて公表することを次年度予定している。
発表文献 磯崎博司, 高村ゆかり:   "地球環境問題と国際環境法"  天野明弘・森田恒幸編『岩波講座 環境経済・政策学第6巻 地球環境問題とグローバル・コミュニティ』.  215-244  (2002)  
高村ゆかり, 亀山康子:   "地球温暖化交渉の到達点 -リオ会議からの10年をふりかえって -"  環境と公害 32巻3号.  64-67  (2003)  
高村ゆかり:   "新たな段階を迎える地球温暖化交渉 -COP8の概要と評価 -"  資源環境対策 39巻2号.  84-90  (2003)  


 

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