| 研究課題名 | 国際司法裁判所における紛争主題の形成:申立手続の理論と実行 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2004 |
| 研究期間 | 2003-2005 |
| 研究課題番号 | 03J02990 |
| 研究代表者 | 岩本 禎之(李 禎之) (イワモト ヨシユキ(リ ヨシユキ)) 神戸大学・国際協力研究科・特別研究員(PD) |
| 研究機関 | 神戸大学 研究機関番号:14501 |
| 研究種目 | 特別研究員奨励費 研究種目コード:500 |
| 審査区分 | 国内 区分コード:21 |
| 研究分野[2] | 国際法学 研究分野コード:263 |
| キーワード | 国際司法裁判所 / 申立 / 請求解釈権 |
| 研究概要 | 本年度は、前年度に行った概念整理を基礎として、国際司法裁判所(裁判所)に係属する法的紛争が、訴訟当事国の申立てを通して形成されていく過程を、訴訟記録および判例の分析により実証的に研究した。この分析を進めるにあたり、当事国による申立て内容の特定およびその変更、並びに裁判所による変更の制限および申立ての「解釈」を分析枠組みとし、紛争の性質と範囲に関する裁判所の認定に注目した。 まず、判例上、当事国による申立ての変更は無制限に認められてきたわけではなく、防御権の保障および紛争の変質禁止という基準により規律されてきたといえた。しかし、原告による請求特定は提訴時において法的に確定されている必要がなく、変更可否の最終的認定権は裁判所が持つ。その結果、裁判所においては紛争事実を考慮した柔軟な請求画定制度が採用されているといえ、これは訴訟の形式主義性と国際紛争の複雑性の妥協点を示すものと考えられる。さらに、判例の分析によると、裁判所には請求解釈権が認められており、裁判所によって請求事項が判決事項に合致するよう「解釈」される実行が確認できた。つまり、裁判所は、自らが「客観的」に認定した紛争を基準として、請求事項を減縮ないし拡張し、現実の紛争事実関係との関連性を考慮した請求統制を行っているといえる。以上より、裁判所は、その手続において、紛争事実関係と請求とを有機的に連関させる試みを自ら職権的に採ってきた、と結論できる。 |