企業年金の国際課税に関する研究


研究課題名 企業年金の国際課税に関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2003-2004
研究課題番号 15730020
研究代表者 宮本 十至子  (ミヤモト トシコ) 立命館大学・経済学部・助教授
研究代表者番号 30351315
研究機関 立命館大学 研究機関番号:34315
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 公法学 研究分野コード:3402
キーワード 企業年金 / 国際課税 / 汎欧州年金基金 / 日米租税条約
研究概要 本研究において、前年度に引き続き、平成16年度も人の移動と各国の企業年金税制のバラツキが引き起こす国際課税問題についてEUと日米それぞれの視点から検討を行い、さらに企業年金の投資媒体である年金ファンドの運用に関する内外差別課税についても考察した。
EU域内の国境を越える企業年金課税の問題は、EC条約の枠組みのなかでの議論であり、EU域内の調整が中心である。Skandia判決が一連の判決に引き続きECJで下されたことにより、欧州委員会の各国の年金差別課税の撤廃の勧告、IORP指令制定の動きがあった。その結果、問題となる国内税法の歪みが調整され、EFRPが提唱してきた汎欧州年金基金の構想が現実化しつつあることがわかった。一方、我が国は国税不服審判所裁決以降、調整の取り組みが行われていない。米国は財務省モデル条約に国境を越える年金課税の調整規定を制定し、各国との租税条約にそれをベースにした規定を漸次導入してきた。米国の取組みはEUのそれとはアプローチが異なり、多国籍企業の国境を超える課税上の不利益をどうするかが問題であり、租税条約による調整が中心である。しかしながら、日米社会保障協定による年金二重払いの問題は調整されたものの、新日米租税条約には課税調整規定が導入されていない。
我が国の国内税法は、年金ファンドの運用先が国内か外国かで差別的に扱っており、若干の諸国も類似の税法をもつ。このことは、従来の二重課税排除の考え方では調整できない重複課税をひきおこす。そのため、新日米租税条約をはじめ若干の租税条約は調整規定を導入することにより問題解決を図っている。
以上の研究成果は、平成16年度に開催された学会及び国際シンポジウムにおいて研究発表を行った。さらに、欧州委員会の企業年金課税担当者との研究会における討論者として最先端の論点について議論の機会をもつことができた。
発表文献 宮本 十至子:   "企業年金課税の国際的側面について"  日本年金学会誌 24号.  38-46  (2005)  
宮本 十至子:   "Cross-border mobilityと企業年金課税"  平成16年度関西大学法学研究所学術フロンティア報告書 (校正中).   (2005)  
宮本 十至子:   "金融取引と国際課税"  平成16年度関西大学法学研究所学術フロンティア報告書 (校正中).   (2005)  


 

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