| 研究課題名 | 近代日本における未成年者をめぐる法制度の研究 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2005 |
| 研究期間 | 2003-2005 |
| 研究課題番号 | 03J03632 |
| 研究代表者 | 田中 亜紀子 (タナカ アキコ) 大阪大学・法学研究科・特別研究員(PD) |
| 研究機関 | 大阪大学 研究機関番号:14401 |
| 研究種目 | 特別研究員奨励費 研究種目コード:500 |
| 審査区分 | 国内 区分コード:21 |
| 研究分野[2] | 基礎法学 研究分野コード:261 |
| キーワード | 近代 / 未成年者 / 刑事政策 / 司法福祉 / 感化 |
| 研究概要 | 採用期間の3年目である平成17年度は、採用期間の研究の総括を行った。 すなわち、近代日本において未成年者に対する法政策が行われた背景ならびにその処遇の内容を明らかにする目的で、現在の未成年者処遇制度の原点である明治33年感化法および明治41年改正感化法を主たる対象として行ってきたこれまでの論文に加筆修正を行うとともに、近代日本の未成年者処遇制度に大きな影響力を有していた小河滋次郎に関して行った上田市立図書館での資料調査(採用1年目)、ベルリンにおける1900年前後の監獄制度および小河に関する資料調査(採用2年目)の成果を盛り込み、『近代日本の未成年者処遇制度-感化法が目指したもの』(2005年11月、大阪大学出版会)を公刊した。 本書では以下のことを明らかにした。明治維新以降、国家は将来の国家の担い手となる「国民」形成を目指した教育制度の整備に着手するが、国家が早急な対応を迫られていたのが未成年犯罪者問題であった。明治20年代の監獄改良運動の中で、未成年犯罪者は成年受刑者と分別して処遇すること、さらには懲治場留置対象者や、未成年犯罪者ではない不良少年を特別に処遇することによって犯罪を抑制する必要性が唱えられるようになり、欧米先行諸法に学びつつ、感化法が作成された。その後制定された刑法では、刑事責任無能力者を14歳未満と規定し、懲治場規定を廃止しため、感化法改正が行われた。同改正法は、感化法の施行に実効性を持たせるものであったという点で、明治33年感化法段階よりも未成年者処遇に対する国家の積極性を表すものである。さらに従来は、非犯罪者と包括的に扱われることによって、児童保護・刑事制度の混在した状態で、両者の対象となっていた未成年犯罪者処遇が、犯罪者という側面を強調されることによって、再び児童保護の枠組みから刑事制度の枠組みへ移行されはじめる契機を示すものであった。 |
| 発表文献 | 田中 亜紀子:
"近代日本の未成年者処遇制度-感化法が目指したもの"
大阪大学出版会.
233
(2005)
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