| 研究課題名 | 英米の治安判事による裁判・裁定の歴史的特徴についての実証的研究 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2005 |
| 研究期間 | 2004-2005 |
| 研究課題番号 | 16730005 |
| 研究代表者 | 小室 輝久 (コムロ テルヒサ) 明治大学・法学部・助教授 |
| 研究代表者番号 | 00261537 |
| 研究機関 | 明治大学 研究機関番号:32682 |
| 研究種目 | 若手研究(B) 研究種目コード:260 |
| 研究分野[3] | 基礎法学 研究分野コード:3401 |
| キーワード | 治安判事 / イギリス:アメリカ / 調停 / 和解 / 救貧 / 教区 / タウン |
| 研究概要 | 本件研究においては、第1に、18世紀前半イングランドの治安判事のノートブック及び小治安裁判所録を主な史料として、単独治安判事及び小治安裁判所における裁判・裁定と、貧民救済を中心とする行政任務遂行の実態とに焦点をあてて、この時期の治安判事による裁判・裁定の性格及び治安判事による統治の本質についての再検討を試みた。名誉革命以後のイングランドの地方行政および地方司法は、中央政府による統制を事実上全く欠き、地方の統治の主要な担い手である治安判事は、中央政府に対する自律性および独立性を確保することができた。しかしながら、かかる状況における治安判事による地方統治は、けして恣意的ないし独裁的な性格をもつものではなかった。治安判事による紛争解決及び行政任務遂行の目的は、犯罪ないし違法行為の処罰そのものよりも、地域社会内で生じた対立状態の終結と、それによる共同体内の人的関係および秩序の回復に向けられており、地域共同体における秩序および平和の維持を実現しようとしていたという点において、一定の目的合理性を見出すことができる。本件研究においては、第2に、イングランドとの比較の観点から、アメリカ合衆国マサチューセッツ州における救貧行政の歴史的考察を行った。植民地時代から19世紀初期までの同州における救貧行政は、タウンを基礎として行われており、貧民救済の根拠となる定住権をきわめて厳格に認定し、かつ外国からの移民をはじめとする貧困者のタウンへの移入を極力阻止しようとすることによって、公的な貧民救済の対象となりうる者を極力減らそうとしている点に大きな特徴があった。タウンを基礎とする救貧行政は、イングランドと異なってカウンティの治安判事の関与を排除するかたちで行われていたが、ボストン市の救貧行政改革にみられるように、地方当局の自律性および独立性は、各地域における合理的な政策目的の実現に資していたと解せられる。 |
| 発表文献 | 小室 輝久:
"単独治安判事と和解による紛争解決"
法律論叢(明治大学法律研究所) 78・1.
71-101
(2005)
小室 輝久: "マサチューセッツ救貧法史とタウン組織" 法律論叢(明治大学法律研究所) 78・2=3. 33-65 (2006) 小室 輝久: "19世紀中葉ボストン市の救貧行政改革" 法律論叢(明治大学法律研究所) 78・4=5. 59-80 (2006) 小室 輝久: "ハクニー小治安裁判所と教区行政" 法律論叢(明治大学法律研究所) 78・6. 87-126 (2006) |