刑事裁判にみる近世日本のジェンダー秩序と責任意識


研究課題名 刑事裁判にみる近世日本のジェンダー秩序と責任意識
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2003-2005
研究課題番号 15510215
研究代表者 持田 ひろみ(曽根 ひろみ)  (モチダ ヒロミ(ソネ ヒロミ)) 神戸大学・国際文化学部・教授
研究代表者番号 10179385
研究機関 神戸大学 研究機関番号:14501
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] ジェンダー 研究分野コード:2701
キーワード 近世史 / 法制史 / ジエンダー / 刑事裁判 / 家 / 主従 / 親子 / 夫婦
研究概要 本年度は、研究期間の最終年度にあたるため、これまで収集した史料を対象として、以下の視点から分析を行い、あわせて三年間の研究総括を行うことを目的とした。
1.女性を裁いた刑事裁判記録を取り上げて、刑事裁判過程にみられるジエンダーバイアスの特質について検討した。とりわけ19世紀以降、幕府判例集の中に「女之部」が独自に成立することを発見し、「女」がさまざまな身分・階層の違いを超えて「女」として一くくりにされ、「男」とは異なる論理の下に裁かれた点に注目した。「女之部」に収められた判例を検討することで、一見性中立的な刑事法制も、量刑判断において男性の刑事責任より女性の刑事責任のほうが軽いと考えられていたこと、それは男女共犯事件において顕著に見られるように女性が男性の教唆・誘導に容易に従う主体性の弱い存在であると考えられていたからであること、女性の母性、夫・男への情愛などが情状酌量の理由とされるケースが少なくないことなど、多くの興味深い論点を発見することができた。
2.昨年までは、「家」内部の尊属殺人、主人・親・夫の成敗権の実態を検証し、「家」内においては主従、親子の秩序・規範こそが最も重視され、性差は二義的な要因でしかなかったことを結論づけた。こうした「家」的ジエンダー秩序と、上記1で述べた、「家」と関わらない人々の間で起きた刑事事件において明確に現れる性差秩序、すなわち「家」外的ジエンダー秩序とが並存する点に、近世的ジエンダー秩序の重層的特質がある。この点が、この研究期間を通して得られた私なりの結論の概要であり、現段階の総括として論文「近世日本の刑事法制とジエンダー」(『ジエンダーの比較法史学』大阪大学出版会2006年3月刊行予定)をまとめた。
発表文献 曽根ひろみ:   "近世連座法論"  近代(神戸大学近代発行会) 95.  77-106  (2005)  
曽根ひろみ:   "憲法「改正」と家族-二四条をめぐって"  歴史評論 671.  36-45  (2006)  
曽根ひろみ:   "近世日本の刑事法制とジエンダー"  ジエンダーの比較法史学(大阪大学出版会) (3月刊行予定).   (2006)  


 

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