日本における「男性同性愛者」の語りと性行動-エイズとともに生きる時代を背景として


研究課題名 日本における「男性同性愛者」の語りと性行動-エイズとともに生きる時代を背景として
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 04J11912
研究代表者 新ヶ江 章友  (シンガエ アキトモ) 筑波大学・大学院・人文社会科学研究科・特別研究員(DC2)
研究機関 筑波大学 研究機関番号:12102
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[3] ジェンダー 研究分野コード:2701
キーワード HIV/AIDS / MSM(Men who have Sex with men) / 男性同性愛者 / 文化人類学 / 医療人類学 / 身体 / 公衆衛生 / 主体化
研究概要 本研究では、日本における「男性同性愛者」の語りと性行動をめぐる広範なフィールドワークにより次の点を明らかにし、雑誌論文や学会での発表を行った。
(1)HIV/AIDSをめぐる人文社会科学研究の先行研究の整理
日本におけるHIV/AIDS研究は、生物医学や公衆衛生、または行動科学による研究が主流であった。しかし本研究では、海外を中心とした文化人類学や社会学におけるHIV/AIDS研究の先行研究を整理し、新たな研究の視座としてどのような分析や方法論が必要なのかを考察し、今後の研究の可能性を模索した。
(2)日本におけるHIV/AIDSをめぐる言説と身体の関係
1980年代におけるゲイ雑誌の分析や当時の状況に関するインタビュー調査などを通して、当時日本におけるHIV/AIDSをめぐる言説が「男性と性行為を行う男性」の中でどのように身体化され、彼らの不安を駆り立てたのか、その結果、彼らはHIV/AIDSの時代においてどのような主体となっていったのかを明らかにした。
(3)HIV/AIDSをめぐる公衆衛生政策と権力関係をめぐる研究
1990年代の半ば以降、日本における「男性と性行為を行う男性」に対してどのような予防介入が行われているのかを調査し、「男性同性愛者」がHIV/AIDSをめぐる政策を通してどのように主体化していくのかを批判的に検討した。
(4)「男性と性行為を行う男性」の語りと性行動
様々なフィールドの場で出会った「男性と性行為を行う男性」へのインタビューを通して、彼らのHIV/AIDSに関する語りと性行為の関係について、「ゲイ・アイデンティティ」との関係から考察した。特にPLWHA(People Living with HIV/AIDS)の語りにおいて、彼らがHIVに感染したことで「同性愛者」であるという現実を引き受けざるを得なくなり、HIV/AIDSを通して、彼らが「ゲイ・アイデンティティ」に固定化される可能性を持つことを指摘し、それに抵抗するエージェンシーの可能性を模索した。
発表文献 新ヶ江 章友:   "HIV感染不安の身体-日本における「男性同性愛者」の主体化の批判的検討"  論叢 現代文化・公共政策 3.  203-226  (2006)  
新ヶ江 章友:   "MSM(Men who have Sex with Men)をめぐるHIV/AIDSの文化人類学的研究"  日本エイズ学会誌 8・1(印刷中).   (2006)  


 

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