内殻電離によるアミノ酸の分子変化生成機構


研究課題名 内殻電離によるアミノ酸の分子変化生成機構
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1993
研究期間 1992-1993
研究課題番号 04453162
研究代表者 小林 克己  (コバヤシ カツミ) 高エネルギ-物理学研究所・放射光実験施設・助教授
研究代表者番号 20114077
研究機関 高エネルギー物理学研究所 研究機関番号:62101
研究種目 一般研究(B) 研究種目コード:080
研究分野[2] 環境影響評価 研究分野コード:802
キーワード 単色軟X線 / アミノ酸 / 放射光 / 放射線分解 / K殻吸収 / 内殻励起
研究概要 特定元素のK殻吸収端付近のエネルギ-を持つ単色軟X線を生物に照射すると、エネルギ-に依存して生物効果が大きく変わることが報告されている。本研究はこの機構を解明するために、硫黄を含むアミノ酸をモデル分子として硫黄のK殻に軟X線が吸収された時にどの様な特異的な分子変化(分解)が起きるかを調べることを目的としている。昨年度は、いくつかの含硫アミノ酸について硫黄K殻吸収による分子分解パタ-ンの変化を調べ、励起元素から離れた結合は切断され難い、硫黄一炭素間結合は他の原子の吸収によっても切れやすい、という現象がアミノ酸の分子種によらないことが明らかになった。
平成5年度は生体中と同様な環境である水溶液中で照射した場合に着目した。水溶液中に生成したOHラジカルとの反応によると思われる9個のピ-クがみられ、そのうちの一つは硫黄一炭素結合が切断されたところに水酸基が結合したホモセリンであることが確認された。OHラジカルの補足剤を加えるとこれらのピ-クは減少したが、硫黄一炭素結合が切断されたときに生成するalpha-アミノ酸とアラニンの生成量は減少しなかったので、水溶液中でもこれらはOHラジカルが関与しない反応機構によって生成していることがわかった。水溶液中でのみ見られたピ-クも併せて、未同定ピ-クの分子種を同定を試みたが、収量が非常に少ないこと、および特徴的な吸収が見られなかったことから、同定することは出来なかった。アイソト-プラベルされた試料を用いる等、生成物の分析に関する別の方法を検討している。
発表文献 H.Yamada: "Effects of the K-shell X-ray absorption of phosphorus on the scission of the pentadeoxythymidylic Acid" International Journal of Radiation Biology. 63. 151-159 (1993)
小林,克己: "放射光を用いたオ-ジェ治療の可能性" 放射線医学物理. 13. 178-185 (1993)
K.Kobayashi: "Radiation Biology of Inner Shell Ionization/Exciation" SR in Biosciences,Oxford Univ.Press. (in press). (1994)


 

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